新型コロナウイルス対策で、政府は飲食店への営業時間短縮要請が一定の効果を挙げつつあるとみて、緊急事態宣言の1カ月延長に伴い対策の浸透を図る。3日に成立する特別措置法改正案では従わない事業者への過料を新設。時短の徹底につなげる考えだ。中期的には感染収束を目指して2月中旬にもワクチン接種を開始する予定だが、供給スケジュールには不透明感が強まっている。
 新型コロナ対策を話し合う政府分科会は2日の緊急提言で、感染対策の「急所」とする飲食店の時短対策として、個別店舗への呼び掛けや、店舗外での飲食を促すための配達・テークアウトの働き掛けを要請。政府は基本的対処方針の改定で、宣言解除後も飲食店への時短要請を継続する方針を明記した。
 特措法改正案は3日に成立、宣言期間中の13日にも施行される運び。宣言地域では時短に応じなければ30万円以下、宣言外でも「まん延防止等重点措置」の対象なら20万円以下の過料が科される可能性がある。政府高官は「延長に伴い、強い措置を取ることになる」と予告。罰則の即時適用も排除せず、時短強化を進める構えだ。
 私権制限を伴う同改正案には根強い懸念がある。菅義偉首相は2日の記者会見で「恣意(しい)的な運用が行われないように対応したい。個人の自由や権利に十分配慮することは当然のことだ」と述べ、理解を求めた。
 一方、コロナ禍収束の鍵と目されるワクチン接種に向け、米製薬大手ファイザーが日本国内での臨床試験(治験)データを提出。政府は早ければ来週末にもワクチンを承認し、中旬にも医療従事者への先行接種を開始する。
 ただ、欧州連合(EU)が域内で製造されたワクチンの輸出規制に動くなど、各国の「争奪戦」が過熱。欧州で製造されるファイザー製ワクチンにも影響が及ぶ恐れが出始めている。ワクチンの確保や接種の調整を担う河野太郎規制改革担当相も、ここへきて「日本への供給スケジュールで、しっかり確定しているものはない」と認めざるを得ない事態になっている。
 政府は米バイオ医薬品企業モデルナと英製薬大手アストラゼネカからもワクチンを調達し、6月末までに全国民分確保を目指すと説明する。だが、両社からはまだ承認申請が出ておらず、「実際に使えるのは7月以降になる」(政府関係者)との見方もある。治験データに不備などが見つかれば、さらにずれ込む可能性も否定できない。 (C)時事通信社