2020年の農林水産物・食品の輸出額が、前年比1.1%増の9223億円に上ったことが2日、分かった。和牛など外食向け産品に急ブレーキがかかったが、新型コロナウイルスの世界的な流行を受け、家庭で消費する「巣ごもり需要」が海外でも広がり、鶏卵やコメが伸長。コロナ禍にありながら総額は前年を上回り、8年連続で過去最高を更新した。
 政府が近く発表する。
 内訳は、農産物が11.7%増の6565億円と順調に伸びた。香港で「卵かけごはん」が人気を呼び、一般家庭向けに鶏卵が好調だったほか、コメ、ドレッシングなど調味料、日本酒もプラスだった。上半期に落ち込んだ牛肉は、家庭向けにスライスした商品で下半期に盛り返したものの、わずかに前年に及ばなかった。林産物は381億円と微増。
 半面、水産物は20.7%減の2277億円と苦戦した。外食需要の低迷で主力のホタテ貝が振るわなかったことに加え、香港で対面形式の商談会が開けず、真珠が大きく落ち込んだ。
 政府は20年度中に、海外向けに特化した産品を地域ぐるみで安定的に大量生産する「輸出産地」を選定する。牛肉やブリ、イチゴなどの生産体制の強化を図り、農林水産物・食品の輸出額を25年に2兆円、30年に5兆円へ引き上げる方針だ。 (C)時事通信社