【ロンドン時事】新型コロナウイルス対策の最前線に立つ医療従事者支援のため多額の寄付金を集めた英退役軍人トム・ムーアさんが2日、南部ベドフォードの病院で死去した。100歳だった。遺族が明らかにした。肺炎に加え、先週新型コロナの検査で陽性となり、1月31日から入院していた。
 1920年中部キースリー生まれ。第2次世界大戦中に軍に入隊し、インドやミャンマー(当時ビルマ)などで活動。昨年春、新型コロナの感染拡大で医療逼迫(ひっぱく)が伝えられる中、英国営医療制度「国民保健サービス(NHS)」を応援するため自宅庭を100往復して募金活動を行い、最終的に約3280万ポンド(約47億円)を集めた。昨年7月にはエリザベス女王からナイト爵位を授与された。
 ジョンソン首相は声明で「ムーアさんは真の意味で英雄だった。第2次大戦中の暗い日々に自由のために戦い、(コロナ禍という)戦後最悪の危機に直面する中でわれわれ全員を元気づけた。国民を鼓舞しただけでなく、世界の希望の光となった」と最大限の賛辞を贈った。米ホワイトハウスも「その人生と行動により多くの人々を突き動かしたムーアさんに敬意を表する」とたたえた。 (C)時事通信社