新型コロナウイルス対策の改正感染症法では、入院や保健所調査を拒否するなどした人への過料(行政罰)が新たに導入された。保健師の関係団体は、罰則を逃れようとする感染者が症状を隠し、「水面下で感染が拡大する事態を招き得る」と危惧する。
 自治体で業務に当たる保健師らが所属する日本公衆衛生看護学会は3日までに、罰則を伴う強制措置はかえって感染を拡大させるほか、「感染者への差別を助長し、公衆衛生施策が後退する」などとする声明を発表した。
 改正法では、調査に虚偽の説明をした場合も過料が科せられる。同学会の麻原きよみ理事長は「罰則があることで、住民が保健師からの聞き取りに本当のことを言わなくなることがあり得る」と指摘する。
 さらに、入院を拒否する人の中には、子育てや介護で自宅を離れられないなど「やむを得ない状況にある」ケースが多い点も問題視する。麻原理事長は、罰則導入以前に「これらの問題を対処、支援するのが先だ」と強調した。 (C)時事通信社