新型コロナウイルス対策に関する改正特別措置法や改正感染症法は、衆参両院を合わせてわずか4日間の審議で成立した。感染急増を受けて自民、立憲民主両党が実効性確保を急いだためだが、政府は罰則が科される要件や事業者への財政支援について最終日となった3日も不明瞭な答弁に終始。私権制限の懸念は置き去りとなった。
 ◇罰則「個別に判断」
 「国会議員がイタリア料理店で夜9時まで粘る。(店側は)過料の対象になるか」。社民党の福島瑞穂党首は参院内閣委員会などの連合審査で、与党議員が緊急事態宣言下で深夜に東京・銀座のクラブなどに出入りした問題になぞらえ、営業時間短縮命令に反した際の罰則適用について政府の見解をただした。
 内閣官房の審議官は「客が居座ったケースは対象にならないと思う」と答弁。福島氏が「『国会議員だから追い出せなかった』と言えば対象にならないのはおかしい」と反発すると、西村康稔経済再生担当相は「『正当な理由』がなければ罰則を受ける可能性がある。個別の事情で判断する」と一般論で答えた。また、「どんなケースが『正当な理由』に当たるか、改正法施行後に示したい」と語った。
 ◇私権制限、ステージ2でも
 立憲の打越さく良氏は、緊急事態宣言の前段階から私権制限を可能とする「まん延防止等重点措置」を取り上げ、「要件が曖昧で恣意(しい)的な運用の恐れがある」と追及した。
 西村氏は「(感染状況が2番目に深刻な)『ステージ3』相当での適用を想定している」と述べたが、同時に「ステージ2以下でもあるかもしれない」と答弁。都道府県内の一部地域で急速に感染が拡大し、全域に広がる場合を例に挙げた。
 ◇支援、大規模店も配慮せず?
 休業や時短要請に応じた事業者への支援も論点となり、立憲の杉尾秀哉氏は事業規模の大きいところにはその分だけ額を上げなければ「協力を得られない」と訴えた。
 西村氏は「支援をしっかり行う」と強調したものの、「月に何千万円も売り上げる店を税金で支援するのは慎重に考える」とも述べ、現行の支援策の説明を繰り返した。
 国民民主、共産両党は改正法に反対した。共産党の小池晃書記局長は3日、記者団に「懸念に応える答弁はなかった」と反発。国民民主の玉木雄一郎代表は記者団に「万全の補償がなくても罰則を科すことが可能になった」と問題視し、立憲を念頭に「賛成した政党も責任を負う」と厳しく指摘した。 (C)時事通信社