PM2.5など大気中の粒子状物質が新型コロナウイルス感染症の発症や重症化を促す可能性があると、京都大の研究チームが発表した。論文は4日までに米科学誌に掲載された。PM2.5による大気汚染が深刻な地域で新型コロナの感染者や死者が多いと報告されており、マウスの実験で仕組みの一端を解明した。
 新型コロナウイルスは表面にあるスパイクたんぱく質が、ヒトなどの細胞の受容体たんぱく質「ACE2」と結合し、侵入を促すたんぱく質「TMPRSS2」の働きで細胞内に入り込む。
 研究チームは、日本の大気から集めた大量のPM2.5などをマウス3匹に吸い込ませ、肺の組織を調べた。その結果、酸素を取り込む肺胞の細胞でACE2とTMPRSS2が増加したことが分かり、PM2.5などが細胞への侵入口を広げる役割を果たしている可能性が示された。
 京大の高野裕久教授は「今後、ヒトの細胞で研究を進める」と話しており、発症や重症化を抑制する薬剤も探るという。 (C)時事通信社