同意なく新型コロナウイルス感染者の立ち寄り先として店名を公表され、名誉を毀損(きそん)されたとして、ラーメン店の経営者らが5日、徳島県を相手に1100万円の損害賠償を求める訴訟を徳島地裁に起こした。
 原告は県内のラーメン店「王王(わんわん)軒」を経営する近藤純氏ら2人。訴状によると、飯泉嘉門知事は昨年7月31日の記者会見で、感染者の立ち寄り先について、「店の同意が得られた」として店名を公表。店の経営は新型コロナの影響から回復しつつあったが、この後売り上げが激減したという。
 近藤氏は提訴後、「同意した事実はなく、店名が公表され頭が真っ白になった。県に再三説明を求めたが、明確な回答がなかった」と語った。
 原告側代理人弁護士は「当時、感染者は20分ほど店に立ち寄っただけで、クラスターも発生しなかった。店名公表の必要性はなかった」と指摘した。
 県は「訴状が届いていないため、コメントは控える」としている。 (C)時事通信社