【ロンドン時事】国際オリンピック委員会(IOC)の最古参委員、ディック・パウンド氏(78)=カナダ=が4日、オンライン形式による時事通信の単独インタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染状況次第では、IOCが今夏の東京五輪を中止するとの見解を示した。IOCのバッハ会長は、中止を検討しない姿勢を見せている。
 パウンド氏は「大会中止も選択肢の一つか」との質問に、「あらゆる科学的な証拠により、開催は危険過ぎると判断したら、そうなる。IOCには中止する権限がある。その場合、世界保健機関(WHO)などのデータに基づき、日本政府や大会組織委とともに決断することになるだろう」と述べた。
 東京五輪は、2020年の開催予定が1年延期された。パウンド氏は再延期の可能性を否定し、「もう協議事項にはならない。選択肢は二つ。やるか、中止か」と語った。昨年3月の1年延期決定の際、日本側が「これ以上の延期はない」としていた点を根拠に挙げた。
 一方で中止は最悪の選択肢だとの見解も示し、「無観客開催の方がまし。最も重要なのは選手が競い合い、参加できる機会を設けること。観客は必ずしも必要というわけではない」と話した。IOCが選手らに推奨する入国前のワクチン接種については、「率直に言って、ワクチンを受けずに日本に来るのはどうかしている」とも述べた。
 パウンド氏は1960年ローマ五輪に競泳代表として出場。78年にIOC委員となり、副会長などを歴任。07年まで世界反ドーピング機関(WADA)の初代会長も務めた。 (C)時事通信社