5日の衆院予算委員会。審議では菅義偉首相の長男による総務省幹部への接待問題、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の失言が引き続き取り上げられた。そこへ重なったのが、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性を通知するスマートフォン向けアプリの不具合。問題続出に菅義偉首相は守勢に回った。
 「デジタル感度のある政権として、許していいミスといけないミスがある」。立憲民主党の泉健太政調会長は質疑で、コロナ対策のアプリ不具合という政権の失態を強い口調で叱責した。
 問題のアプリは「COCOA(ココア)」。アンドロイド版では昨年9月下旬以降、感染者と接触しても通知を出さず、事実上機能していない状態だった。厚生労働省は3日になって事実を公表。ずさんな対応が批判の的になった。
 この失態が首相にとって手痛いのは、政権の看板政策の一つが「デジタル改革」だからだ。デジタル化推進を掲げながら、足元でスマホアプリの不具合を「放置」したとも受け取れる事態に、首相は「大変申し訳ない。再び起きないようしっかり取り組む」と陳謝するしかなかった。
 自身の長男をめぐる問題でも防戦に終始。衛星放送関連会社に勤務する長男が利害関係のある総務省幹部に接待を重ねていたとの報道について、立憲の森山浩行氏が「行政がゆがめられないようにしていただきたい」とくぎを刺すと、「当然だ。批判を素直に受け止める」と低姿勢で答えた。
 森会長が謝罪・撤回した「女性蔑視」とも受け取れる発言に質問が及ぶと、首相は「あってはならない発言だ」などと繰り返し、問題意識は共有しているとの姿勢を強調してみせた。
 与党幹部が緊急事態宣言中、深夜に東京・銀座のクラブを訪問していたことが発覚してから、わずか10日余り。日替わりのように次々と問題が持ち上がり、コロナ対応をめぐる論戦もかすみがちだ。会期150日の今国会は始まったばかり。自民党の若手議員は「いろいろ続いているのはまずい。しかし、特効薬はない」とため息をついた。 (C)時事通信社