文部科学省は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年春に全国で実施された学校の一斉休校について、小中学生の学習や心理面に与えた影響を検証するため、初の大規模調査に着手した。抽出した小中学校の校長と児童生徒、保護者を対象にアンケートを配布し、子どもの心身に変化があったかどうかを調べる。21年度も同じ対象者を追跡して調査し、専門家らが影響を分析する計画だ。
 一斉休校は20年2月末、当時の安倍晋三首相が全国の小中高校に対し、3月からの実施を要請。文科省によると、3月16日時点で公立の98.9%が臨時休校していた。当初は春休みを前倒しする形で始まったが、4月に全国で緊急事態宣言が発令されて休校期間は延長。本格的な学校再開は多くの地域で5~6月にずれ込んだ。
 調査はまず、小中学校各4000校程度を抽出。先月、計約8000校の校長を対象に、休校中に学校が出した家庭学習の課題や、児童生徒とのコミュニケーションの状況などを尋ねるアンケートを実施した。アンケートでは、再開後の児童生徒の様子についても質問。▽遅刻や早退▽不登校▽いらいらしている▽学習の遅れへの不安を訴える―といった問題を抱える子どもが増えているかどうかを分析する方針だ。
 2月中旬には、抽出校の小5と中2を対象に、児童生徒本人とその保護者へのアンケートも実施。休校中や再開後の学習状況、心理面や体調の具合、家族構成や保護者の就労状況などについて尋ねる。
 文科省の担当者は「一斉休校は過去にない歴史的な事案だった。影響はきちんと検証する必要がある」と話す。
 今回の調査後、秋には追跡調査も実施する。さらに、21年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果も分析に活用する。 (C)時事通信社