【ワシントン、北京時事】米中貿易交渉「第1段階合意」の発効から14日で1年を迎える。新型コロナウイルス危機で両国の関係は一段と悪化し、中国が米国産品を大量輸入する目標の達成率は6割弱にとどまった。バイデン米政権は中国が合意を順守しているか総点検した上で、日本などの同盟国とともに対抗策を打ち出す構えだ。
 第1段階合意は、知的財産権をめぐる問題や為替、金融など7項目で構成されている。貿易赤字削減を目指すトランプ前大統領が重視したのが、中国による米国産品購入だ。中国は2年間でモノとサービスの輸入を計2000億ドル(約21兆円)相当増やすと約束し、違反に対して米国が制裁関税を再発動できる罰則規定が盛り込まれた。
 だが、発効1年目の目標は未達に終わった。ピーターソン国際経済研究所によると、2020年に中国が米国から輸入した対象品目の総額は目標の6割弱。米貿易赤字の削減効果も乏しく、対中赤字は19年比で1割減にとどまった。中国は経済成長でも主要国で唯一、プラスを確保し、コロナ封じ込めに手間取る米国と明暗が分かれた。
 中国側は「中米通商関係の本質は互恵であり、今後も協力が両国関係の基調であるべきだ」(外務省報道官)として、表向きは第1段階合意の継続を示唆するが、米国産品の輸入拡大に向けた具体策は示しておらず、実効性には疑問符が付く。
 バイデン政権は報復合戦を招いた制裁関税の発動に慎重な立場を取り、第1段階合意について「知財権侵害や違法補助金など不公正慣行の是正策が脇に置かれた」(高官)と批判する。発動済みの制裁関税の解除を対中交渉のカードに使いつつ、同盟国とともに国際貿易ルールの形成を目指している。 (C)時事通信社