新型コロナウイルスの影響で生活に困っている人が、無償で提供された食料品や日用品を24時間いつでも取り出せる「コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)」が岡山市の複合商業施設内に設置され、好評を博している。国内ではまだ珍しい取り組みといい、担当者は「実施したい商業施設や市民団体などにノウハウを提供して全国に広げたい」と話している。
 施設の駐車場横にある倉庫。中には大型の冷蔵庫と冷凍庫が1台ずつと棚があり、個人や企業から寄せられたカップ麺やレトルト食品、トイレットペーパーなどが並ぶ。普段は無人で、利用者は会員登録後、専用のアプリで鍵を開けて中に入り、必要な品物を持ち帰る。時間や人目を気にせず、欲しいものを必要な量だけ選べるのが利点だ。
 コロナ禍で苦しむ子育て世帯や学生らを支援しようと昨年11月に始まり、会員は子育て世代を中心に約340世帯(1月10日現在)。個人の支援者も約200人の登録があり、倉庫内の掲示板には「いつもありがとうございます」「とても助かっています」といった感謝のメッセージが張られている。
 取り組みを始めたのは岡山市の一般社団法人「北長瀬エリアマネジメント」で代表理事を務める石原達也さん(43)。運営するシェアスペースを訪れた学生たちとの会話や、兼務するNPO法人で行った子育て世代へのアンケート調査から、新型コロナの影響で苦しい生活を強いられている人が多いと知り、海外で広がる仕組みを使った支援を思い立った。
 提供を受ける食料品などは未開封で消費期限内に限定。同施設内の窓口に直接持ち込むか、インターネット上の支援プログラムを通じて受け付け、メールで会員に情報を配信している。4月からはスーパーなどの協力店舗に箱を置き、寄付したい品物を預けられる「フードギフト」を導入する予定。石原さんは「苦しい時に支えてもらうことで次は支える側になることができる。お互いさまの支え合いとして支援をいただければ」と話している。 (C)時事通信社