衆院予算委員会は8日午前、菅義偉首相と全閣僚が出席し、2021年度予算案に関する基本的質疑を続行した。首相は新型コロナウイルスワクチンの薬事承認が欧米と比較して遅れていると指摘される点について「有効性、安全性に配慮した結果、時間を要した」と説明し、理解を求めた。公明党の桝屋敬悟氏への答弁。
 首相は承認手続きに時間がかかる理由として(1)欧米と比べて日本は感染者数が少なく臨床試験(治験)に必要な人数が集まらない(2)ワクチンの効きに人種差が想定されるため日本人を対象に一定の治験を行う必要がある―ことなどを挙げた。
 新型コロナ感染拡大に伴い全国で停止中の観光支援事業「Go To トラベル」をめぐっては、赤羽一嘉国土交通相が地域を限定して再開するのも選択肢の一つだとの認識を示した。
 自民党の佐々木紀氏は「北陸、山陰、東北など感染が少ない地域限定で始めることはできないか」と質問。赤羽氏は「そういう声もたくさん出ている」と応じた。また、事業再開に当たっては「感染防止に強力な対策を講じなければいけない」と指摘した。
 立憲民主党の川内博史氏は、新型コロナの影響で休んだのに休業手当を受け取れない人を対象にした「休業支援金」を取り上げ、大企業の非正規労働者に遡及(そきゅう)適用する時期として、1回目の緊急事態宣言が発令された昨年4月とするよう求めた。首相は「しっかり精査した上で最終的に判断したい」と述べるにとどめた。 (C)時事通信社