国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の研究チームは、昨年4月の新型コロナウイルスの緊急事態宣言以降、心筋梗塞患者の受診が遅れ、重い合併症が約4倍に増えていたと発表した。論文は10日までに英医学誌オープン・ハートの電子版に掲載された。
 研究チームは、2018年1月~20年8月に心筋梗塞で入院した患者のデータを分析。宣言前の359人と宣言後の63人を比較した。
 カテーテル治療の効果がなくなる発症後24時間以降に来院した患者の割合は約1.8倍に増加。発症から受診までに要した時間も2.4時間から4.1時間に延び、カテーテルの緊急治療を受けた割合は82%から14ポイント低下していた。
 心壁が破れるなど外科手術が必要な重い合併症に至ったケースは約4倍に増加した。一方、死亡率はいずれも約6%と大きな変化はなかった。
 同センターの野口暉夫副院長は「受診の遅延により、重い合併症が増加したと考えられる。心臓の病気が疑われれば、ためらわずに病院に行ってほしい」と話している。 (C)時事通信社