政府は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて10都府県に発令中の緊急事態宣言をめぐり、一部地域で検討していた週内の解除決定を見送る方向で調整に入った。感染者数が減少傾向にある愛知県などを候補としていたが、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続く状況を考慮し、継続が望ましいと判断した。複数の政府・与党関係者が10日、明らかにした。
 菅義偉首相は同日の政府・与党連絡会議で、緊急事態宣言の対象地域に関し、「多くの地域で病床の逼迫が続いている」と指摘。その上で「引き続き日々の状況を注意深く分析する」と強調した。
 新型コロナ対策の改正特別措置法は13日に施行される。加藤勝信官房長官は10日の記者会見で、まん延防止等重点措置の新設など改正内容を反映させるため、12日に政府対策本部を開き、基本的対処方針を改定する方針を示した。
 政府は当初、これに合わせて愛知、岐阜、福岡各県の解除を判断する方針だった。しかし、厳しい医療提供体制を踏まえ、慎重論が拡大。政府高官は「(解除を)焦る必要はない」と強調した。
 緊急事態宣言は、首都圏や関西圏など10都府県を対象に、3月7日まで延長された。政府は感染状況が改善した地域について、引き続き解除の前倒しを検討する。
 これに対し、日本医師会の中川俊男会長は10日の会見で「予定通り1カ月の延長で徹底的に抑え込むことが必要だ」と述べ、早期解除に慎重な考えを示した。 (C)時事通信社