米ファイザーの新型コロナウイルスワクチンは、特例による審査簡略化の結果、申請から2カ月弱という短期間で承認された。海外での使用が進んでいるが、国内の治験時間が限られた面は否めない。かつて薬害に遭った被害者からは、丁寧な副反応情報の提供を求める声が聞かれた。
 ファイザーワクチンについては、接種者の1割強が38度以上の高熱を発し、約半数に疲労感が出たとの海外の論文も公開されている。サリドマイドの薬害被害者である東京理科大の佐藤嗣道講師(58)は「副反応は非常に高い割合」と指摘。「治験期間が短く、重大な副反応リスクや長期にわたる影響の有無は十分に分かっていない。努力義務とはいえ、接種を義務付けるのには反対だ」と述べた。
 佐藤氏は、副反応をリアルタイムで把握する仕組みをつくって随時情報公開し、接種の判断材料を提供することが重要と主張。「接種を受けなくても社会的不利益を被らないような配慮が必要だ」と話した。
 薬害エイズ被害者で、全国薬害被害者団体連絡協議会の花井十伍代表世話人(58)は「世界で何百万と使われている中、日本だけ拒絶する選択は難しいだろう」と話す。ただ、特例承認の医薬品は厳重に管理して使うべきだとし、「副反応をちゃんと見るなど、通常より強い安全対策が求められる」と強調。健康リスクの高い高齢者への接種にも慎重な姿勢だ。
 「本来は医師がいろんなことを説明し、納得してもらって打つべきだ」と話す花井氏は、1月末に川崎市で実施された接種訓練の結果から、ゆったりと診察しながら接種できるのかを懸念する。「看護師や行政職員が事前に詳しく話すなど、十分な説明をできる体制をつくる必要がある」と対策を求めた。 (C)時事通信社