【ニューヨーク時事】日本食店が多く集まる米ニューヨークで、医療現場など最前線で働く人たちに和食弁当を無償で届ける取り組みを、在ニューヨーク総領事館や現地の日系人会が始めた。新型コロナウイルス禍に立ち向かう現場の人々と、売り上げ低迷に苦しむ日本食店を同時に支援する一石二鳥の試みだ。
 日本食店が調理した弁当を地元の病院や警察、消防署などに配る。3月末までに計約1000個を届ける予定で、総領事館が日系人会に委託して実施している。
 昨春にコロナ感染者が全米最多となったニューヨーク州では、感染防止のため店内飲食を大幅に制限。中心部ニューヨーク市では今月12日、店内飲食が約2カ月ぶりに再開されたが、入店客は定員の25%に抑える必要がある。昨年以降、多くの店が経営難に陥り、一部は廃業に追い込まれた。州の外食業界団体は「全米で最悪レベル」の苦境だと指摘する。
 こうした状況下での弁当配布には、「(配布する全量の)弁当を買い取ることで日本食店を支援する」(総領事館)狙いが込められている。日本食文化の普及にもつなげたい考えだ。市内で日本食店を複数経営する八木秀次さんは、売り上げ増につながり感謝していると話す。
 医療現場からは「スタッフが皆、非常に喜んでいました」とお礼のメッセージが届いたといい、八木さんは最前線で働く人たちとの絆を実感している。 (C)時事通信社