例年は大勢のファンが選手との触れ合いを楽しむプロ野球の春季キャンプ。沖縄県の民間シンクタンク、りゅうぎん総合研究所の調査によると、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年、同県のキャンプ地には延べ40万人以上の観客が集まった。今年は新型コロナ感染拡大防止のため無観客で実施。その中でも各球団は工夫を凝らし、ファンサービスに努めている。
 主な取り組みの一つはSNSでの発信強化。ツイッターやインスタグラム、ユーチューブなどを駆使し、写真や動画を随時投稿する。
 DeNAや西武、中日はキャンプでは初めて、選手らが登場する生配信を実施。いずれも視聴者がリアルタイムで書き込んだ質問に答える形式で行われた。DeNAが4日と9日に配信した動画は合わせて約9万人(12日時点)が視聴し、担当者は「コメントを通してファンの気持ちを知ることができて、手応えを感じている」。西武球団事業部の中條綾美さんは「キャンプは選手との交流ができることが醍醐味(だいごみ)の一つ。楽しみにしていたファンの皆さんの現地での行動を想像して行っている」と説明した。
 「ズーム」などのビデオ会議システムを利用したイベントも今年ならでは。広島は、ファンクラブ会員向けに「リモート交流会」を開催。選手がズームを通じてファンと会話しながら色紙にサインし、その色紙は後日、ファンの自宅へ郵送される。オンラインイベントは巨人、ソフトバンクなどでも企画された。
 キャンプ関連グッズの販売もオンラインが主流だ。これまでキャンプ地限定で売っていた中日は今年、初めてオンライン販売を実施。キャンプ初日の売り上げが昨年比で120%超の約1600万円に。企画営業部の荒井なつりさんは「ここまでの反響があるとは」と驚いていた。 (C)時事通信社