1973年に金大中氏(後に韓国大統領)の拉致事件が起きた東京・飯田橋のホテルグランドパレスが6月30日で営業を終了することが15日、分かった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う財務状況の悪化などが響き、昭和史の舞台が一つ姿を消す。
 ホテルは今月9日にホームページ上で、「過去に類を見ない経営環境に陥っていること」などの事情を挙げ、営業終了を明らかにした。昨年末には、今年7月から当面の営業休止を発表していたが、事業継続は困難と判断した。20年の売り上げは前年比7割減にまで落ち込んだという。
 72年2月に開業したホテルは、地上24階、地下5階建てで客室数は全458室。東京の中心部に立地し、近くには靖国神社などがある。当時の韓国中央情報部(KCIA)が主導したとされる金氏拉致事件は、73年8月に発生。過去にはプロ野球のドラフト(新人選択)会議などの会場にも使用された。 (C)時事通信社