【ワシントン時事】バイデン米大統領が就任後、最重要課題として取り組んできたのが、米国が最多の感染者数と死者数を抱える新型コロナウイルス対策だ。景気と雇用を優先して経済活動再開を急いだトランプ前政権の方針を転換。1兆9000億ドル(約200兆円)規模の経済対策を打ち出すとともに「科学重視」による早期収束を目指している。
 疾病対策センター(CDC)の集計によると、18日時点の米国内の感染者数は累計で約2770万人で、死者数は約49万人。7日間の平均で見た1日当たりの新規感染者数は、このところ9万人を下回り、政権発足前の1月中旬の3分の1程度にまで減少した。
 感染拡大ペース鈍化の背景には、マスク着用や大人数の集会自粛といった対策の普及がある。バイデン氏は新型コロナ対策が「政治ではなく科学に基づくもの」と繰り返してきた。トランプ前大統領と対立しがちだった感染症対策の権威、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長を大統領首席医療顧問に迎えるなど、専門家の見解を重視し、対策の「脱政治化」を進めている。
 バイデン政権は並行して、ワクチン接種も加速させている。今月に入り製薬2社と計2億回分の追加購入契約を締結。バイデン氏は16日、就任後初の対話集会で「7月末までに全国民が(2回ずつ)接種できるだけのワクチンを確保する」と自信を示した。
 ただ、新規感染者数はこれまでも増減を繰り返している上、より感染力の強い変異ウイルスも米国内で確認されている。ギャラップ社が今月公表した世論調査結果によれば、副反応などへの懸念からワクチン接種に後ろ向きな人は3割近くに上り、国民生活の正常化にはさらに時間がかかるという見方も強い。 (C)時事通信社