【ワシントン時事】バイデン米大統領は19日、先進7カ国(G7)首脳によるテレビ会議に出席したのに続き、オンラインで開かれた「ミュンヘン安全保障会議」の代替会議で演説し、リモート形式ながら「国際会議デビュー」を果たした。「米国第一」を掲げ国際協調に後ろ向きな姿勢の目立ったトランプ前大統領から一変。対中国や新型コロナウイルス対応で、国際社会と連携する決意を改めて示した。
 「米国は戻って来た」。バイデン氏はミュンヘン会議で、これまで国内向けの演説で愛用してきたフレーズを繰り返した。その直前に開かれたG7首脳会議後にも、ツイッターに「大統領として初めてG7リーダーと会い、米国が戻って来たことを明確にした」と投稿した。
 バイデン氏の国際協調姿勢は、トランプ政権の4年間に大きく損なわれた米国への信頼を取り戻すという狙いを反映したものだ。トランプ氏はG7サミットで、その保護主義的政策や地球温暖化対策をめぐりしばしば孤立。2018年のサミットでは、議長国カナダのトルドー首相と対立し、閉幕直後に首脳宣言の「不承認」を表明した。
 安保政策でも、北大西洋条約機構(NATO)の他の加盟国に負担増を要求し、集団防衛条項の順守明言を遅らせるなどしたため、欧州諸国の不信感を招いた。バイデン氏はミュンヘン会議で、NATOの集団防衛について「われわれの揺るぎない誓いだ」と強調。NATOへの「全面的な関与」を確約した。
 方針転換の背景には、経済と軍事の両面で中国の台頭と対抗する「包囲網」形成の思惑がある。バイデン氏はミュンヘン会議で「中国との長期にわたる戦略的競争に、われわれは共に準備しなければならない」と指摘。米欧とアジアの民主主義諸国が連携する必要性を訴えた。 (C)時事通信社