【イスタンブール時事】イスラエルで3月23日に予定される総選挙(国会定数120)まで約1カ月。汚職事件で起訴され、裁判中のネタニヤフ首相は「新型コロナウイルスのワクチン接種で世界に先行した」と実績を訴え、選挙戦を乗り切ろうとしている。感染収束が今後進めば、首相の右派与党リクードにとって追い風となる。
 選挙ではパレスチナやアラブ諸国との和平がほとんど争点になっていない。通算約15年間首相を務めるネタニヤフ氏の汚職・強権体質を指摘する野党勢力が、続投を阻むかが焦点だ。
 現時点での世論調査では、リクードが28議席前後を獲得して第1党になるのはほぼ確実な情勢。ただ、政権樹立には過半数の61議席以上が必要となる。リクードが連携可能な他の右派政党などと合わせ、過半数を確保できる見通しは立っていない。
 イスラエル政府は21日、感染拡大を防ぐためのロックダウン(都市封鎖)を緩和した。国民の3割程度が2度のワクチン接種を済ませ、新規感染者数も減少傾向にある。こうした状況は、米ファイザー社との交渉で大量のワクチン供給を実現させたネタニヤフ氏にとって、大きなアピール材料だ。
 政治アナリストのダナ・ワイス氏は「野党指導者らはロックダウンが感染抑止で機能していないと非難してきたが、経済活動が再開されればカードを失う」と分析した。 (C)時事通信社