政府の新型コロナウイルスワクチン接種をめぐり、65歳以上の高齢者約3600万人への実施が遅れる方向となった。4月から試行的に始めるが、接種が本格化するのは増産したワクチンが届く5月以降になる見通しだ。政府は週内に自治体への新たな供給計画を示す方針。
 菅義偉首相は22日の衆院予算委員会で高齢者への接種について「これまで説明している通り、4月から開始するべく準備を進めている」と強調した。ただ、加藤勝信官房長官は記者会見で「ワクチンの供給状況を踏まえていかなければいけない」と指摘した。
 17日から始まった医療従事者への先行接種は米製薬大手ファイザー製のワクチンを使用している。河野太郎規制改革担当相は21日のNHK番組で、同社の生産力増強が5月以降になることや、医療従事者が予定より100万人近く増えたことを挙げ、「高齢者分が後ろへずれる。ゆっくり拡大をしていきたい」と明らかにした。
 政府は4月から高齢者への接種を開始し、期間の目安を「2カ月3週間」としてきた。その後、基礎疾患のある人などに順次拡大する方針だ。ただ、本格接種が5月以降となれば、高齢者接種が終了するのは「当初より半月ぐらいずれ込む」(政府筋)との見方が出ている。
 一方、田村憲久厚生労働相は22日の衆院予算委で、ワクチン接種で高齢者の次に接種対象となる基礎疾患のある人について、「予診票などで確認して自己申告で対応させていただく」と述べた。 (C)時事通信社