21日までメルボルンで行われたテニスの四大大会、全豪オープンは新型コロナウイルス対策が徹底された中で全日程を終えた。感染の抑え込みに成果を挙げているオーストラリアで、大規模イベントをいかに運営するか。5カ月後に迫った東京五輪にヒントを与えるケースとして注目された。
 主催者発表によると、ドーハなどで行われた予選を含め、参加選手は62カ国・地域から494人。チャーター機で豪州入りした関係者らを含む1016人が約2週間の隔離措置を義務付けられた。その間の新型コロナ検査数は1万2543件で、1選手を含む8人が陽性判定を受けた。
 隔離期間中もコートでの練習は許されたが、時刻やパートナーを指定され、上限2時間の制限が設定された。さらに駐車場など広いスペースにジムを特設し、密を避ける対策を取りつつ、練習環境に配慮した。
 ビクトリア州のロックダウン(都市封鎖)発令に伴い、途中の5日間を無観客とするなど混乱は続いたが、試合そのものが滞りなく行われたことは選手に歓迎された。女子シングルスを制した大坂なおみ(日清食品)は決勝後、スタンドのファンに「昨夏のグランドスラム(全米)は無観客だった。エネルギーをいただき本当に力になった」と感謝の言葉を述べた。
 もっとも、公平性には課題があった。豪州へのチャーター機で感染者が出たため、一部の選手はホテルの部屋から出られない「完全隔離」に。その厳しい隔離対象になった錦織圭(日清食品)は、調整不足が響いて1回戦負けした。東京五輪の参加予定選手は1万人超。よりフェアで入念な対策が求められるだろう。東京都の小池百合子知事は19日の記者会見で、全豪テニスについて「一番分かりやすい例。参考にしながらより良い大会にすべく、進めていきたい」と話した。 (時事)
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