菅義偉首相は24日夜、高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種について、4月12日から開始する方針を明らかにした。同5日の週から各自治体に順次発送する。首相官邸で記者団に語った。政府はワクチン接種を感染対策の「切り札」と位置付けており、都道府県などと連携して円滑な準備を目指す。ただ、スタート段階で接種可能な高齢者は極めて限定的で、必要なワクチンの数量確保が今後の課題だ。
 ワクチン接種の調整役を担う河野太郎規制改革担当相はこの後、内閣府で記者会見し、当面の高齢者向け接種計画を公表した。最初のワクチンは計100箱(1箱195瓶)で、「5万人程度の2回分に相当する」と説明。東京、神奈川、大阪の3都府県に各4箱、それ以外の44道府県に各2箱を割り振る。
 4月12日の週に約25万人分の500箱を追加発送。同19日の週も同様の対応を取る。全国の市町村に行き渡るのは、同26日の週からとなる見通しだ。
 河野氏は「数量を限定してスタートさせ、配送システム、会場運営などの段取りを丁寧に確認しながら、徐々に拡大したい」と強調。「どの市町村で行うか、どう配分するかなどは、各都道府県に調整をお願いしたい」と述べた。
 河野氏はまた、3月1日に欧州からワクチンの第3便が到着する予定だと明らかにした。
 政府は現在、約4万人の医療従事者への先行接種を進めている。3月初めに他の医療従事者(500万人程度)向けのワクチンを全国に順次配布して接種を開始。4月12日から65歳以上の高齢者(約3600万人)へ対象を広げる。河野氏は「4月から5月にかけて医療従事者と高齢者の接種が並行して進む可能性が大きい」と述べた。
 ワクチン供給の遅れにより、高齢者接種の本格実施は4月下旬以降にずれ込むことになった。その後に予定される基礎疾患を持つ人などへの接種時期も見えていない。
 一方、首相は24日、公明党の山口那津男代表と首相官邸で会談し、米ファイザー社製ワクチンの接種回数について「2回接種で準備してきたので、そういう考え方でいきたい」と伝えた。同社のワクチンは原則として3週間の間隔を空けて2回打つ必要があるが、1回接種でも発症率が85%減少したとの事例が海外で報告されている。 (C)時事通信社