【ニューヨーク時事】米長期金利の上昇基調が続いている。米国では、指標となる米10年物国債の利回りが、1年ぶりに一時1.35%を突破。日本にも金利上昇が波及した。バイデン米大統領が打ち出した大型経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待で、景気回復が早まるとの見方が強まったためだ。
 米長期金利は昨秋、ワクチン開発の進展やバイデン氏の大統領選勝利などを受けて上昇傾向に転じ、今年に入ると、ペースが加速した。昨年8月には0.5%台だったが、現在は1.35%前後で推移している。日本でも長期金利が、一時0.12%と2年3カ月ぶりの水準となった。
 米国では、新型コロナ感染者数が減少に転じ、ワクチン接種も進んでいる。大型経済対策による景気下支えに加え、経済正常化への期待も高まっており、「年内は金利上昇が続く」(米銀エコノミスト)との見方が多い。
 景気見通しの改善で、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和縮小に動く時期が早まるとの観測も、金利を押し上げた。FRBのパウエル議長が23日の米議会公聴会で、景気は「完全な状態には程遠い」と述べ、早期縮小を否定すると、金利は一時低下した。
 現在の米長期金利の水準は、1.8%前後だった新型コロナ拡大前に比べて低く、警戒する声は少ない。ただ、期待が先行したまま急激に上昇すれば、住宅ローンや貸し出し、社債などの金利上昇を招き、景気回復に水を差しかねない。 (C)時事通信社