自動車メーカーなどの労働組合でつくる自動車総連の高倉明会長は25日、インタビューに応じ、2021年春闘で賃上げ実現を目指す考えを強調した。高倉氏は「新型コロナウイルス禍による厳しい事業環境でこそ賃上げが重要だ」と述べ、3月17日の集中回答日に向け交渉を本格化させる。
 コロナ禍でホンダやマツダの労組が基本給を底上げするベースアップ(ベア)要求を見送るなど、労組側の慎重姿勢が目立つ。高倉氏は24日の第1回統一交渉を受け、経営側の厳しい態度を指摘しつつ「困難な中での賃上げは従業員の士気を高め、優秀な人材確保につながる」と訴えた。一時金については「業績の影響を受けるのは仕方ない」と語った。
 自動車総連が業界内の賃金格差縮小のため、ベアの統一的な要求額を示さない方針に転換して3年目の春闘となる。高倉氏は「給与制度にまで議論が深まった」と述べ、格差是正へ一定の効果があったと評価した。
 電動化の進展に伴う部品の減少は避けられず、中小メーカーをめぐる事業環境は厳しさを増している。高倉氏は「中小の技術を守れるように大手メーカーが人材などを派遣することが必須だ」と指摘した。 (C)時事通信社