【ワシントン時事】バイデン米政権が公約した最低賃金の時給15ドル(約1600円)への引き上げについて、新型コロナウイルス危機を受けた追加経済対策法に含めることが25日、難しい情勢となった。議会の法案手続きルールに抵触すると判断された。政権には打撃になりそうだ。
 バイデン政権は、約1兆9000億ドル(約200兆円)に上る経済対策の一環として、連邦最低賃金を時給7.25ドルから2025年までに15ドルへ段階的に上げる計画。低所得者の賃金を底上げし、所得格差問題の解決につなげたい考え。
 上院(定数100)での法案可決は原則60票が必要だが、与野党は議席が拮抗(きっこう)している。このため与党民主党は経済対策法案に「財政調整措置」と呼ばれる特別制度を適用し、上院議長を兼ねるハリス副大統領を含めた51票で可決する構えだった。だが上院の議事運営専門員は25日、最低賃金引き上げを含めれば同措置が適用される条件を満たさないと判断した。
 サキ大統領報道官は「バイデン大統領は結果に失望している」との声明を発表。ただバイデン氏は今回の判断を尊重し、経済対策の早期成立が必要だと訴えていると説明した。
 最低賃金引き上げをめぐっては、議会予算局が15ドルになれば140万人の雇用が失われると試算。野党共和党のほか、民主党内にも反対が強く、バイデン氏は経済対策としての実現性に慎重な見方を示していた。 (C)時事通信社