新型コロナウイルスの影響で旅客需要が低迷し航空各社が大幅減便を余儀なくされる中、行き場を失った機内食が弁当などに生まれ変わって販売されている。スーパー、百貨店の売り場やインターネットなどで購入でき、地上で気軽に「空旅」気分を楽しめると好評だ。
 中部空港(愛知県常滑市)で機内食を手掛ける名古屋鉄道グループの名古屋エアケータリング(同)は、旅客が急減したことで、6000食ほどだった1日の出荷量が100食程度にまで落ち込んだ。売り上げも激減して事業転換を迫られ、グループを挙げて販路開拓に取り組むことになった。
 機内食を弁当にして昨年暮れから愛知県内のスーパーなどで売り始め、今年2月には名古屋駅に直結する同系列の名鉄百貨店に期間限定で売り場を設置。日本、アジア、欧州の料理が楽しめる弁当3種に加え、ビジネスクラス用の神戸牛弁当や牛ヒレ肉のサンドイッチなどをそろえた。
 百貨店では販売開始前から客が列をつくるほどの人気で、コンビニエンスストアで展開することも検討中だ。今後は、フランスパンを使った乗務員用機内食の販売も計画している。担当者は「消費者の声を採り入れながら商品開発を進めたい」と意欲的だ。
 全日本空輸(ANA)は顧客の要望を受け、昨年12月に機内食のインターネット販売を数量限定で開始した。販売してすぐに売り切れるなど好調で、累計売上高は1億円を超えた。担当者は「飛行機に乗ってもらうのが一番だが、少しでも収益に貢献でき、かつ顧客に喜んでもらえたらありがたい」と話している。 (C)時事通信社