【ニューヨーク時事】米国最大の都市である東部ニューヨーク市で新型コロナウイルス感染者が最初に確認されてから1日で1年。昨年3~4月に米国の感染の中心地となった同市では現在、ワクチン接種が急ピッチで進み、経済活動再開に向けた動きも加速している。一方で、変異株拡大の懸念が新たに浮上し、当局は感染阻止策の励行を訴えている。
 ニューヨーク市の感染者は累計で約72万人(疑い例を含む)、死者は約2万9000人(同)になった。今年1月上旬に感染拡大のピークを越え、新規感染者数は減少傾向にある。
 市では昨年12月にワクチン接種が始まり、接種回数は175万回を超えた。人口800万人以上を擁する市は「6月までに500万人」(デブラシオ市長)の接種完了を目標に掲げ、週50万回の接種を実施できる態勢を構築。医療関係者や65歳以上に限っていた優先接種対象に、教師や飲食店従業員も加えた。
 感染対策と同時に、経済活動の規制緩和も進んでいる。2月23日からスタジアムなど大型施設で観客を入れてイベントを開催することが解禁され、プロバスケットボール協会(NBA)の試合には、定員の10%という制限付きながら観客が戻った。映画館も3月5日にほぼ1年ぶりに営業を再開する。
 1回目の接種を受けた白人女性(68)は、都市封鎖が行われた昨年3月以来外食していないと明かし、「2回目の接種が終わったら友達と食事に行きたい」と話した。
 一方、市はワクチンの供給量不足という問題を抱える。白人の方が黒人やヒスパニックより接種した割合が高いという人種間の不平等も明らかになり、市は少数派が多い地域に重点的に接種施設を設けるなど、是正を急ぐ。
 また、コロンビア大学の研究チームは、市内で新たな変異株が拡大していると指摘する研究結果を発表。市保健当局者は同大の確認した変異株についてはまだ十分な情報がないとしつつ、「(マスク着用など)現在行っていることをそのまま続けてほしい」と呼び掛けた。 (C)時事通信社