新型コロナウイルス対策で発令された緊急事態宣言が1日、大阪や愛知、福岡など6府県で解除された。営業時間短縮要請も緩和されたが、飲食店経営者や医療従事者からは「いつもと変わらない」「反動で感染者が増えなければいいが」と懸念の声が聞かれた。
 「通勤風景は(以前と)あまり変わらない」。JR大阪駅では午前9時ごろ、多くの人がこう口をそろえた。電車到着のたびに改札口付近は通勤客らで混雑しており、大阪市の男性会社員(45)は「前から緊張が緩んでいたのだろう」と冷ややかな声を漏らした。時短勤務とテレワークを組み合わせ感染対策を続けてきた大阪府門真市の男性会社員(63)は、解除後もしばらく週1回はテレワークを続けるという。
 医療従事者からは懸念の声も。名古屋市内の病院関係者は「反動で感染者が増えなければいいが」と心配そうに話した。別の病院関係者は、引き続き感染対策を徹底する考えを示した上で、「ワクチン接種が浸透して、一日でも早く収束してほしい」と語った。
 飲食店などでは、宣言中に停滞していた売り上げの回復を期待する声も多い。
 福岡市の繁華街の中洲では、多くの店が午後8時までだった営業時間を同9時に延ばした。11年営業を続けるダイニングバーの店主、伊地知丈晴さん(32)は、宣言中は酒類を出せなかった午後7時すぎ、客にビールを提供。「気持ちが楽。これまでこの時間帯はずっと時計を気にしながら仕事をしていた」とほほ笑み、「7時ごろに仕事が終わる人にも来てもらえる」と期待を寄せた。
 午後8時半ごろ、近くのもつ鍋店で友人とハイボールのグラスを傾けた20代の女子大生は「時間を気にせず楽しめてよかった」と笑顔を見せた。
 日本海の冬の味、松葉ガニ(ズワイガニ)の仲買人で、兵庫県新温泉町浜坂で鮮魚店を営む下田聖治さん(62)は「浜坂は京阪神からの旅行者が中心。カニを卸している旅館にも人が戻ってくるのではないか」と語る。漁期の終わりが20日に迫る中、「書き入れ時なので1週間でも解除の前倒しは助かる」と話し、一時は半減した売り上げの回復に期待を寄せた。 (C)時事通信社