菅義偉首相が首都圏1都3県を対象とする緊急事態宣言を2週間程度延長する方向性を打ち出した。当初は期限の7日をもって全面解除する腹づもりだったが、小池百合子東京都知事らの延長要請の動きを受けて軌道修正を余儀なくされた。総務省幹部接待問題などで「後手」批判を浴びる中、かろうじて「先手」を演出した形だ。
 「2週間程度の延長が必要ではないかと考えている。最終的に私自身が判断したい」。首相は3日夜、関係閣僚会合を終えた後、記者団にこう表明した。
 首相周辺は「2月末ぐらいからずっと、首相は宣言を解除したがっていた」と明かす。政府関係者も「延長なんて考えたくもない。きりがない」と語り、政府内では7日で宣言を全面解除する方向性を共有していた。
 実際、内閣官房の資料(2日時点)によると、4都県の感染状況などの指標はおおむね「ステージ3」相当となっており、解除の目安をクリア。5日の政府対策本部会合で7日に全面解除を決定することを前提に、解除に合わせた支援パッケージを提示することも検討していた。
 しかし、3日には感染再拡大を懸念する小池知事ら4都県の知事が2週間を軸に宣言の延長を求める動きが表面化。専門家からも変異ウイルスが相次ぐ事態を受け、感染再拡大を警戒する声が上がっていた。
 首相には4都県知事の圧力に押され、1月7日の宣言再発令決定に追い込まれた苦い記憶がある。今回も小池知事らの要請を受ける形で方針転換すれば指導力が問われかねないとの懸念から、あえて要請を待たずに表明に踏み切ったとみられる。
 政府内からは「小池氏の術中にはまっただけ。本来なら7日に断固解除すべきだった」(関係者)との声が上がる。自民党の閣僚経験者も「専門家の意見を聞いていない判断だ」と批判した。
 緊急宣言を2週間延長した場合、新たな期限は21日となる。25日からは東京五輪の聖火リレーが控えているが解除できる保証はなく、首相はさらに難しい判断を迫られる可能性がある。 (C)時事通信社