三重大病院のカルテ改ざん事件で、詐欺と公電磁的記録不正作出・同供用の罪に問われた三重大病院臨床麻酔部元准教授の境倫宏被告(48)=懲戒解雇=の初公判が4日、津地裁(四宮知彦裁判長)で開かれた。同病院をめぐる贈収賄など一連の事件で初の公判。境被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 冒頭陳述で検察側は、境被告が上司で臨床麻酔部トップだった元教授亀井政孝被告(54)=第三者供賄と詐欺の罪で起訴=から2018年4月以降、小野薬品工業(大阪市)の薬剤「オノアクト」を積極的に使用するよう指示を受けたと指摘。境被告は、同病院の薬剤部から薬剤の使用記録について指摘を受け、記録を改ざんし、診療報酬の不正請求を始めたと主張した。
 起訴状によると、境被告は19年8月~20年3月、約80人の手術でオノアクトを投与したとする虚偽の電子カルテを作成。亀井被告と共謀し、三重県国民健康保険団体連合会など2団体から診療報酬約84万円を同病院名義の口座に振り込ませ、詐取したとされる。
 三重大などによると、境被告は、亀井被告の勧めに応じ、薬剤の使用実績を上げるため電子カルテを改ざん。薬剤は使用されずに、多くが廃棄されていた。
 一連の事件では、薬剤を積極的に使用する見返りに大学名義の口座に現金200万円を振り込ませたとして、第三者供賄罪で亀井被告が、贈賄罪で小野薬品工業の社員2人が起訴された。また、医療機器の納入をめぐり、第三者供賄罪で亀井被告と臨床麻酔部元講師の松成泰典被告(46)が、贈賄罪で日本光電工業(東京都新宿区)の社員3人が起訴された。 (C)時事通信社