【ワシントン時事】米国で、新型コロナウイルス危機対応の追加経済対策が成立する見通しとなった。1月のバイデン大統領就任後、最初の大型財政政策でバイデン氏にとって大きな成果だ。ただ、議会上院の与野党勢力が伯仲していることがネックとなり、バイデン氏の提案は多くの軌道修正を迫られた。実績作りを優先し妥協したが、政策が想定通りに実現しないことを浮き彫りにした。
 バイデン氏は「米国の結束」を呼び掛け、超党派による追加対策の成立を目指した。法案に最低賃金を時給15ドル(約1600円)へと引き上げる公約を盛り込む強いこだわりを見せていた。
 しかし、上院(定数100)では与野党の議席が50ずつとせめぎ合う。野党共和党の支持が見込めない中、与党民主党は法案可決に必要な賛成票を通常の60から単純過半数にする特例を使った。この結果、最低賃金の引き上げは特例の適用条件を満たさなくなり、法案から外された。
 さらに、民主党内の結束も盤石ではなかった。巨額の財政出動に懐疑的な共和党の影響力が強い選挙地盤を勝ち抜いた一部の身内からは、世帯への現金給付、失業給付の上乗せ措置をめぐり、その対象や金額を絞るよう見直しを求められた。採決で造反者が出る事態を避けるため、バイデン氏は自身の提案から後退する修正を土壇場でのまざるを得なかった。
 バイデン氏は、身内の結束のほころびを受け、タンデン行政管理予算局(OMB)長官の指名撤回に追い込まれたばかり。政権は近く、インフラや環境対策への投資を含む大型財政政策の第2弾を策定するが、実現には大幅な妥協を強いられるシナリオがつきまとう。 (C)時事通信社