内閣府が9日発表した2020年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比2.8%増、この成長ペースが1年続いた場合の年率換算では11.7%増となった。原材料などの民間在庫の減少で、先月発表の速報値(前期比3.0%増、年率12.7%増)から下方修正されたが、2四半期連続のプラス成長となった。
 20年暦年では新型コロナウイルスの感染拡大で4~6月期に景気が急減速し、前年比4.8%減とリーマン・ショック後の09年以来11年ぶりのマイナス成長。21年1~3月期は新型コロナ感染再拡大に伴う緊急事態宣言の再発令が響いてマイナス成長に陥る公算だ。
 民間在庫の変動がGDPの増減に与える影響(寄与度)は速報段階のマイナス0.4%からマイナス0.6%に改定。天然ガスや自動車などで在庫の取り崩しが進んだ。
 GDPの2割弱を占める設備投資は速報段階の前期比4.5%増から4.3%増に下方修正された。内需の柱となる個人消費は速報値と同じ2.2%増。政府の需要喚起策「Go To」キャンペーン効果で飲食・宿泊が持ち直した。公共投資は1.5%増(速報値は1.3%増)、輸出は速報値と同じ11.1%増、輸入は4.0%増(同4.1%増)だった。
 10~12月期の実質GDPは7~9月期(年率22.8%増)からは減速したものの、堅調な成長を維持した。実額では年率換算で541兆円と、感染拡大前の19年10~12月期(548兆円)とほぼ同水準まで回復した。ただ、1月に再発令された緊急事態宣言は東京、神奈川など1都3県で今月21日まで再延長され、21年1~3月期には消費が再び冷え込み、マイナス成長は避けられない情勢だ。西村康稔経済財政担当相は9日の記者会見で「マイナス成長は覚悟しないといけないが、消費を含めて潜在的な回復力はある」と述べた。 (C)時事通信社