【ワシントン時事】新型コロナウイルスの感染者数・死者数が世界最多の米国で、感染拡大のペースが鈍化している。複数の州が各種規制の緩和に踏み切る中、マスク着用などをめぐって連邦政府と共和党知事の州との温度差が顕在化。接種が進むワクチン関連の「誤情報」も飛び交うなど、感染収束に向けて正念場を迎えている。
 疾病対策センター(CDC)の集計によると、7日間平均でみた1日当たりの米国の新規感染者数は6万人前後で、ピークだった1月中旬の4分の1程度に減った。ワクチン接種を少なくとも1回受けた人も、人口の約18%に相当する6000万人を超えた。
 バイデン大統領は今月2日、「米国の全成人へ接種する十分なワクチンを5月末までに入手できる」と発表。それまで7月末だった目標時期を前倒しした。
 こうした状況を踏まえ、共和党知事を擁する南部テキサス、ミシシッピの両州は、住民のマスク着用義務を解除すると発表した。テキサス州は商業活動の全面再開も決定。アラバマ、アリゾナなど各州も規制緩和を打ち出したと伝えられる。
 感染防止策の継続を主張するバイデン大統領は、テキサス州などの決定を「大間違いだ」と批判。バイデン氏はかねて「感染防止に民主党も共和党もない。愛国的義務だ」と主張してきたが、規制緩和で両党の温度差が浮き彫りになっている。
 ピュー・リサーチ・センターの世論調査結果によると、規制緩和のカギを握るワクチンの接種に後ろ向きな人は減少傾向にあるものの、依然3割に上る。ロシア情報機関とつながりがあるとみられる組織が米製薬企業のワクチンについて、効果や副作用に関する誤情報を流しているとも伝えられる。
 サキ大統領報道官は8日の記者会見で「ロシアによるその種の試みには慣れている」と述べ、米国製ワクチンが安全だと改めて強調した。 (C)時事通信社