首都圏の緊急事態宣言の再延長で、観光支援事業「Go To トラベル」の全国停止が長引いている。停止は昨年12月28日から2カ月以上に及び、再開はなお見通せない状況だ。地域経済を支える観光業への影響は甚大で、今年1月の国内宿泊者数は前年同月比6割減少。新型コロナウイルスの感染が落ち着いている自治体では地元限定の旅行を後押しし、苦境をしのごうとしている。
 政府は現在、トラベル事業の停止期限を示していない。3月中の再開に関し、菅義偉首相は5日の参院予算委員会で「なかなか難しい」と述べた。政府は全国一斉ではなく、地域を絞って再開する案を検討している。
 停止の長期化で、観光業への逆風は強くなっている。観光庁の宿泊旅行統計調査の速報値によると、1月の国内宿泊者数は前年同月比61.0%減の延べ1681万人。客室稼働率は23.7%にとどまった。いずれもトラベル事業が始まる前の昨年6月並みの水準まで落ち込んだ。
 そんな中、感染者数が比較的少ない自治体は地元旅行の支援へ再び動きだした。仙台市は5日から、トラベル事業に合わせて停止していた宿泊割引を再開。1人最大5000円を割り引く。以前は東北在住者が対象だったが、宮城県民に限定した。新潟、静岡両県も8日、県民限定の宿泊割引を開始。新潟はスキー場のリフト券割引、静岡は10日から始まる駿河湾フェリーの運賃半額事業と組み合わせて需要を喚起する。
 鳥取、島根両県は1日から合同で、在住者を対象とした宿泊・観光施設の割引事業を始めた。長崎県も県民が使える宿泊券7万泊分を用意し、8日から販売している。トラベル事業の終了後には利用者の居住地を問わない宿泊割引も8万泊分行う計画だ。県担当者は「疲弊した観光業を早急に支援する必要がある」と話した。 (C)時事通信社