内閣府が9日発表した2020年10~12月期の実質GDP(国内総生産)改定値の前期比伸び率は、年率換算で11.7%のプラスとなり、同7~9月期(22.8%増)に続き2桁成長を維持した。ただ、新型コロナウイルス感染再拡大で政府の対応が後手に回った結果、21年1~3月期のマイナス成長は不可避な情勢だ。さらに変異ウイルス流行やワクチン接種の遅れで経済が一段と落ち込むリスクも高まっている。
 改定値は原材料など民間在庫の減少で速報値(12.7%増)から下方修正されたが、エコノミストらは輸出など総需要の回復で在庫取り崩しにつながったと前向きに捉えている。設備投資も小幅の下方修正にとどまり、西村康稔経済財政担当相は「潜在的な回復力を感じさせる」と評価した。
 しかし、昨年夏以降の経済活動の再開に伴う高成長の代償としてコロナの再流行を招いた結果、第一生命経済研究所は21年1~3月期に実質GDP成長率は年率7.2%のマイナスに落ち込むと予想。4~6月期以降にプラス成長へ復帰しても「感染防止の制約が続き、21年中は持ち直しペースは抑制される」(新家義貴主席エコノミスト)という。
 緊急事態宣言は東京など1都3県で今月21日まで延長され、花見や歓送迎会など書き入れ時を迎える飲食・観光業へ一段の打撃が懸念される。9日発表の1月の家計調査では、1世帯(2人以上)当たりの消費支出が実質で前年同月比6.1%減少。特に飲酒代やパック旅行費は9割減った。
 2桁成長となった20年10~12月期の実質GDPの実額は541兆円(年率換算)と、直近のピークである19年7~9月期(559兆円)を下回る。21年1~3月期がマイナス成長ならば経済の本格回復は一段と遠のく。
 感染力が強い変異ウイルスや米欧より遅れるワクチン接種も懸念材料だ。大和総研は変異ウイルスが流行し、21年度末までにワクチン接種が国民の4分の1にとどまった場合、緊急事態宣言がさらに3回発令され、同年度の実質成長率は0.2%のマイナスに陥ると試算する。 (C)時事通信社