【ワシントン時事】バイデン米大統領は11日、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を宣言して1年の節目に、国民向けにテレビ演説した。7月4日の独立記念日が、生活を平常に戻す「目標」だと初めて表明。悲観的なトーンは控え、長期戦で疲弊した国民に希望を与えることに力を注いだ。
 「もし国民全員が役割を果たせば、7月4日には家族、友人が集い、バーベキューができるだろう」。バイデン氏は初めてとなったプライムタイム(夜の高視聴率帯)での約24分間のテレビ演説でこう語り掛けた。就任演説などで見せた「暗い冬が来る」「死者は増える」といった国民に覚悟を促す厳しい言葉は影を潜めた。
 また、5月1日までに米国の全成人がワクチン接種を受けられるよう各州に指示すると表明。必要なワクチンを「5月中に入手する」としていた目標を前倒しした。
 バイデン氏は11日、コロナ危機に対応する1兆9000億ドル(約200兆円)規模の追加経済対策法案に署名し、最優先課題としてきた同法成立にこぎつけた。政権にとって最初の大きな成果で、署名式では「無党派も共和党支持層も対策を支持していることは明らかだ」と胸を張った。
 米公共ラジオ(NPR)の世論調査によると、バイデン氏のコロナ対策への支持は62%で、トランプ前大統領の1月時点(39%)より高い。平常化の目標にあえて言及した背景には、感染者数の減少に加え、政権運営への一定の自信もうかがえる。
 一方、法案に対しては上下院とも出席した共和党議員が全員反対。今後バイデン氏が取り組む環境対策やインフラ整備で焦点となる超党派の協力には不安も残した。 (C)時事通信社