日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国(通称クアッド)首脳が12日夜、初の首脳会談をテレビ会議方式で開いた。日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想を踏まえ、新型コロナウイルスの途上国向けワクチン支援で一致。東・南シナ海への海洋進出の動きを強める中国に加え、北朝鮮、ミャンマー情勢も協議した。
 4首脳は新型コロナワクチンについて、インド太平洋地域の途上国への供給などで協力していくことで合意した。バイデン米大統領は「野心的な新たな共同パートナーシップを立ち上げ、ワクチン生産を拡大する」と強調。インドで生産したワクチンを日米豪が後押ししてアジアやアフリカに提供することを目指す。今後、ワーキンググループを設置し、具体化を検討する。
 菅義偉首相は会談後、記者団に「日米豪印4カ国を新たなステージに引き上げる会合だった」と評価した。4首脳は年内に対面での会談を行うことで合意。東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携強化も確認した。
 会談冒頭、菅首相は「自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、新型コロナの克服を含め、地域の平和と安定、繁栄に目に見える貢献をしたい」と表明。バイデン大統領も「自由で開かれたインド太平洋の実現がそれぞれの国の将来にとって不可欠だ」と足並みをそろえた。
 会談にはモリソン豪首相、モディ印首相も参加し、約1時間40分間行われた。4カ国は2019年から外相会談を3回開いてきたが、首脳会談に格上げした。
 地域情勢をめぐり、菅首相は会談で「中国による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と非難した。ミャンマーのクーデターに「重大な懸念」を表明。北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決も訴えた。
 バイデン政権が重要課題に掲げる気候変動問題も主要テーマとなった。菅政権も50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」実現を目標としており、日本の取り組みを説明したとみられる。 (C)時事通信社