楽天が日本郵政との資本提携に踏み込んだ。新型コロナウイルス感染拡大に伴いインターネット通信販売の利用が拡大し、サービス競争が激化。楽天は日本郵政グループと組むことで、ネットとリアルな物流販売網の融合を加速させ、先行する米アマゾン・ドット・コムなどGAFAと呼ばれる巨大ITの攻勢に対抗する考えだ。
 「オンライン中心の楽天とリアルで圧倒的なネットワークを持つ郵政がタッグを組むことは歴史的な一ページだ」。楽天の三木谷浩史会長兼社長は12日の記者会見で、日本郵政との資本提携を「歴史的」と表現した。
 楽天は日本郵政との提携で、全国津々浦々をカバーする約2万4000の郵便局の配送網を活用し、地方へのアクセスを拡大。両社のデータも融合させて物流効率化によるコスト削減も狙う。オンラインが中心のスマートフォン契約でも郵便局に窓口を置くことで顧客拡大を期待する。
 背景には、コロナ禍に伴うネット通販市場の競争激化への危機感がある。強敵のアマゾンはコロナ収束後もにらみ、日本でも食品スーパーなど実店舗との連携を強化する。今回、楽天は日本郵政だけではなく、提携する米ウォルマートなどからも資金を調達し、総額で2400億円強を確保する。
 一方、日本郵政は今年5月に策定する次期中期経営計画で、ゆうちょ銀行やかんぽ生命からの販売委託などに依存する収益構造から脱却し、郵便局ネットワークが自力で稼ぐ体制への転換を目指す。ゆうちょ銀の電子決済サービスでの不正出金問題などで露呈したデジタル化の遅れに対しては、楽天から役員クラスの人材を受け入れて挽回を期す。 (C)時事通信社