【ワシントン時事】米国で11日、新型コロナウイルス危機を受けた1兆9000億ドル(約200兆円)の追加経済対策法が成立したことで、日本を含めた世界全体が景気浮揚効果を受けそうだ。ただ、景気回復を期待した米金利上昇はマネーの流れを変える可能性があり、リスクも隣り合わせだ。
 米国のコロナ経済対策はトランプ、バイデン両政権下で計6兆ドル(約650兆円)と、米国内総生産(GDP)のほぼ3割に達する。現金給付や消費控えなどで貯蓄率は20%超と歴史的な高水準となっており、ワクチンの普及による経済活動の正常化で消費が盛り上がる見通しだ。
 米金融大手は2021年の米経済成長率が6~7%と、ほぼ40年ぶりの高水準になり得ると予測。中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も「21年後半は力強い回復になる」との見方を示す。
 世界最大の経済規模を誇る米国で景気回復が進めば、日本などから対米輸出が増えるとみられる。国際通貨基金(IMF)は11日、米追加対策は「世界経済の成長に大きな波及効果がある」(ライス報道官)として、21年の世界成長率予想を現在の5.5%から上方修正する可能性を示唆した。
 一方でリスクも急浮上している。追加対策が米景気を過熱させるとの見方から米長期金利が上昇し、欧州にも波及。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は11日、「経済全体への早過ぎる金融引き締めになる」と警戒感をあらわにした。
 IMFも、米金利が上昇すれば金融が引き締め状態になると指摘。ドルに依存する国の債務負担が膨らんだり、こうした国から資金が流出したりする恐れが強まりかねず、「多くの新興国と途上国は突発的なリスクへの備えが必要だ」(ライス氏)と動向を注視する姿勢を強調した。 (C)時事通信社