【パリ時事】前国王フアン・カルロス1世の不正疑惑で大きく傷ついたスペイン王室の信頼が、さらに揺らいでいる。今月上旬、国内では新型コロナウイルスワクチンの接種対象になっていない50代の王女2人が、中東で接種を受けていたことが報じられ、国民の反発を招いた。現国王フェリペ6世が即位以来取り組む王室のイメージ回復は、困難な状況だ。
 地元メディアは、現国王の2人の姉、エレナ王女とクリスティーナ王女が2月、フアン・カルロス1世が暮らすアラブ首長国連邦でワクチン接種を受けたと報じた。その後、両王女は声明で「定期的に父を訪問できるよう提案され、同意した。そうでなければスペインで順番を待っただろう」と釈明した。
 君主制に否定的な連立与党の急進左派ポデモスは、ツイッターで「特権だ」と批判。王室は「両王女の行動について、国王に責任はない」と火消しに奔走しているが、パイス紙(電子版)は9日、「王室の財政透明化などで信頼回復に努めてきた国王の努力を水の泡にした」と非難した。 (C)時事通信社