【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は15日、新型コロナウイルス危機に伴う景気悪化で多くの中小企業が破綻し、少数の大企業による市場支配がさらに強まると警告した。ハイテクなどITや製薬業界で市場集中度が高まっており、「経済成長を抑え、コロナ危機からの回復が弱まる恐れがある」として規制当局に注意を促した。
 米国では「GAFA」と呼ばれるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの大手IT企業による市場支配が問題視されている。バイデン政権下で規制強化に向けた議論の加速を後押ししそうだ。
 IMFは報告書で、企業の市場支配力を利益率の伸びで分析した。1980年から2016年までの間、日本や韓国での伸びは20%程度だったが、欧米では約40%に到達。企業が支配力を強め、値上げや効率化などで利益を上げやすくなったとの見方を示した。
 市場支配力はITや製薬業界で拡大が目立ち、企業の合併・買収(M&A)が一因にあると指摘。「コロナ危機を受けたオンライン化へのシフトはIT企業による市場集中を加速させる可能性がある」と警鐘を鳴らした。
 少数の大手が市場を支配して競争が低下すれば、企業の革新性が損なわれ「産業活力の落ち込みと経済成長の鈍化」を招くと憂慮。デジタル技術が急速に進展する中で、独占禁止当局は公平な競争促進などで新たな対応を迫られると訴えた。 (C)時事通信社