新型コロナウイルス対策に当たる西村康稔経済再生担当相への批判が強まっている。導入推進を訴えてきたテレワークについて、足元での実績ゼロが明らかになったほか、サポートする各省庁からは「スタッフへの配慮を欠く」などと不満の声も出ている。強まる逆風に西村氏からは焦りの色もうかがえる。
 「業務の性格上、テレワークは行っていなかった。緊急の連絡、調整もあり、ご理解いただければ」。西村氏は8日の参院予算委員会で、これまで企業に「言い訳は通じない」とテレワーク導入を迫ってきただけに、苦しい釈明に追われた。
 政府の新型コロナ対策推進室で、昨年11月から今年1月までの平日にテレワークを行った職員がいなかったことが判明。さらに、国家公務員の長時間労働が問題となる中、1月の職員超勤は最長378時間だった。西村氏は緊急事態宣言などの影響と説明したが、政府内からも「黒(ブラック)を通り越している」(河野太郎行政改革担当相)とかばう声は少ない。
 批判の声は霞が関からも上がる。これまでに事務担当秘書官は3人が交代。直近は先月で、深刻な体調不良が原因だった。関係者によると、西村氏は厳しい態度で部下に接するという。複数の省庁幹部は相次ぐ交代が同氏との関係によるものだと指摘し、「原因は『長時間労働』ではない。大臣は態度を改めるべきだ」と訴える。
 西村氏は15日の参院予算委で「足元の感染状況が横ばいから微増になっている」と述べ、感染対策を強化する考えを示した。しかし、今回の事態は、テレワーク推進に対する政府の本気度に疑問符が付いた形。ある職員は「大臣にいつ呼ばれるか分からないのに、在宅勤務などできない。これで企業を説得できるはずがない」と語る。
 西村氏は、スタッフの健康などを考慮して業務内容を見直す方針。「懸命にやっているつもりだが」と弱音も漏れるが、将来の自民党総裁選出馬を目指す西村氏にとって、イメージ悪化は避けられそうにない。 (C)時事通信社