米国発のスマートフォンアプリ「Clubhouse(クラブハウス)」が日本でもじわりと浸透し始めた。文章や写真、動画を交えた従来の交流サイト(SNS)と異なり、音声のみでやりとりできる気軽さが最大の売り。招待制で特別感を演出し、著名人の配信で知名度を上げた。新型コロナウイルス禍で在宅時間が増える中、孤独を癒やすのに一役買っている。
 クラブハウスは、米新興企業が昨年4月にアップルのiPhone(アイフォーン)向けに提供を開始。利用には自身の電話番号をスマホの電話帳に登録している知人からの招待が必要だ。
 利用者はビジネス、文化・芸術、子育てなど自らテーマを決めて部屋をつくり、知人らと話ができる。訪問者は聞くだけでもいいし、司会の承認を得れば対話に参加することもできる。
 日本では1月下旬以降、若手タレントやIT企業経営者らから一般の人に広がっていった。コロナ禍で友人と会いにくくなるなど、孤立感を深める人々が集まる部屋もつくられている。
 利用には文章を入力したり、カメラを意識して着替えたりする必要がない。4月開校予定の叡啓大学の保井俊之教授(ソーシャルシステムデザイン)は「勉強したりお茶を飲んだりしながら参加できるのはラジオと一緒。ラジオのように『ながら』でヒットした」と指摘。こうした音声SNSも働き方などが柔軟になる「コロナ後」の生活に根付くとみる。
 サービスは発言の自由度を高めるため、原則的に録音やメモは禁止される。普及が進めば、中傷や詐欺的な勧誘といったトラブルの増加も懸念され、何らかの対応が必要になる可能性がある。 (C)時事通信社