【ワシントン時事】米国で新型コロナウイルスワクチンの接種が急ピッチで進む中、バイデン政権は、ワクチンの有効性に懐疑的な一部世論に懸念を強めている。トランプ前大統領の支持者ら保守層に多く、国民の一定割合が接種を拒否する状態が続けば、政権が7月に目指す「平常化」の目標達成も遠のきかねない。
 バイデン大統領は15日、ワクチン懐疑論への対応について内部で議論していると記者団に説明。地域の医師らを通じ「なぜ全員が接種することが大事なのか」理解を促していく必要性を強調した。
 米公共ラジオ(NPR)が11日に発表した世論調査によると、トランプ氏支持者の47%が「ワクチンを接種するつもりはない」と回答。全体でも3割が接種しないと答え、目標を上回るペースで進む政権のワクチン接種計画に暗い影を落としている。
 国民の一定割合が免疫を持ち、ウイルスが簡単には広がらなくなる「集団免疫」をつくり出すには「国民の70~85%」(ファウチ国立アレルギー感染症研究所長)のワクチン接種が必要とされる。現状の「拒否」が続けば、集団免疫を実現できないまま流行が再拡大しかねない。
 一方、米メディアによると、昨年の大統領選でコロナ対策が争点化した経緯から、バイデン氏や科学者に「洗脳されたくない」という感情を抱くトランプ氏支持者もいる。サキ大統領報道官は15日の記者会見で「もしワクチンの安全性と有効性についてトランプ氏がもっと声を上げようとするなら、私たちは間違いなく支持する」と語り、トランプ氏自身が支持者への接種呼び掛けで役割を果たすよう期待感を示した。 (C)時事通信社