政府は新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を期限の21日に解除する方針を決めたが、再延長後10日間の4都県の新規感染者数はその直前とほぼ変わらず、東京と埼玉では増加に転じている。専門家は「数値上は厳しい」と指摘する一方、政府判断への理解も示した。
 4都県の新規感染者は、再延長直前の2月26日~3月7日の10日間に6164人確認された。延長後の同8~17日の10日間は5909人だった。都県別では、千葉、神奈川は延長後に減少したが、東京は2715人から2838人に、埼玉は1026人から1147人に、それぞれ増加。全国の新規感染者もこの間、約1万500人から約1万1300人に増えた。
 東京医科大の浜田篤郎教授(渡航医学)は「数値の上では解除は厳しく、感染者数や病床使用率はもっと下げた方がいい」と指摘。ただ、「仮に延長しても、営業自粛要請といった今のやり方では、新規感染者をこれ以上下げる効果は見込めない」と理解も示す。
 国や自治体に対しては、クラスター(感染者集団)対策や、高齢者施設や繁華街などでのモニタリング検査の強化を求めた上で、「どんなに対策を進めても、感染力が強い変異ウイルスのまん延による第4波が起こり得ることは考えておくべきだ」と訴えた。
 東京慈恵会医科大の浦島充佳教授(予防医学)は「感染状況は政府が宣言解除の目安としたステージ3相当まで改善している。宣言発令から2カ月超が経過し、国民は経済的にも精神的にも我慢の限界で、解除は当然だ」と話す。
 一方で変異型の拡大を懸念し、「全感染者に占める割合が1割を超えたら、感染が一気に広がる危険がある」と分析。首都圏や関西圏の都心部を中心に、変異型の検査体制を強化するよう政府に求めた。 (C)時事通信社