【ワシントン時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は17日、事実上のゼロ金利政策が少なくとも2023年末まで続くとの見通しを維持した。量的緩和策も現状のまま継続し、景気回復を支える。新型コロナウイルス危機を受けた異例の金融緩和策は導入から1年を経ても正常化への道筋が見えない。
 「先走って行動を取らないよう、政策運営を根本的に変えた」。パウエル議長は金融政策会合後の記者会見で、実際に景気回復を示す「証拠」がない限り、粘り強く金融緩和を続ける姿勢を強調した。
 米景気は大規模な経済対策、コロナワクチンの普及で持ち直している。FRBが17日発表した会合参加者18人の見通しでは、21年の実質経済成長率は6.5%の高い伸びとなり、失業率は23年にコロナ直前の3.5%まで低下。インフレ率も目標の2%台に達するシナリオが示された。
 ところが、政策金利の予想は23年末までゼロ金利のままで前回と変わらず、利上げのハードルを高く見る参加者が多いことを示した。パウエル議長は「見通しを深読みすべきではない」と、金利上昇を受けた早期の引き締め観測にクギを刺した。
 FRBは20年3月、コロナ危機対応で政策金利を一気にゼロに引き下げ、米国債などを買い入れて市場に資金を供給する量的緩和を導入。保有資産は2倍近い7兆6000億ドル(約830兆円)に膨らんでいる。
 景気が持ち直せば、量的緩和の縮小時期が焦点になる。コロナ危機対応で導入された異例の金融緩和策の長期化が見込まれる中、市場の動揺を招かずにゼロ金利と量的緩和の出口への道筋を示す難しい局面に入っている。 (C)時事通信社