緊急事態宣言が1日に先行解除された関西の繁華街では、若者を中心に人出が戻りつつあるが、以前のにぎわいにはほど遠い。懸念された感染者数の大きなリバウンドは見られず、経営悪化に苦しむ飲食店からは、首都圏からの観光客増加を期待する声が聞こえる。
 大阪市では時短要請が午後9時までに後ろ倒しされ、一時閑散としていたミナミも酔客が行き交うようになった。道頓堀で38年間営業を続ける居酒屋「けー坊」は、フロアを縮小して新型コロナウイルスに耐えてきた。3月は売り上げも例年の半分に戻ったといい、店主の岡田啓二さん(61)は「1時間長く営業できるようになり、客も増えた。東京だけでなく地方からも来てくれれば」と笑顔を見せた。
 中華街として知られる神戸市の南京町。商店街振興組合の曹英生理事長(64)によると、食べ歩きが中心の店では売り上げがコロナ流行前の約8割に回復した。曹さんは首都圏からの観光客増加に期待を寄せ、「しっかりとした感染対策を前提に歓迎したい」と話した。
 一方、中高年を主な客層とする店は苦境が続く。近くの三宮で和食店「智や」を営む犬塚一夫さん(51)は「コロナ前には程遠いが、期待感を持っている」と、空気の変化を待ち望む。変異ウイルスが広がり、状況悪化も懸念されるが、帰宅途中の20代の男性会社員は「感染者数は下げ止まっているし、これ以上続けても意味はないと思う」と話した。 (C)時事通信社